タイ・イサーン記 5
スリン ・象の街

タイの3等車 汽車の時間表もタイ語でさっぱり判らない。
まあ、何とか成るだろう、と乗り込む。
とにかく暑い、メコン川辺の風と違って生暖かい、
というより熱風に近い。
平原をひたすら走る。
果てしなく続く水田、かと思うと、
日本なら決して放置しないような平地の荒野も多い。
この辺りの王様は、日本で言うとどの位の石高だったのだろう。
次々に売子が通る。
焼肉をいっぱいに盛った大皿を抱えたり、
バケツに氷を入れ、コーラや水、ビールをゴチャゴチャ詰めたバケツをぶら提げたり、
様々だ。
トイレも中国程の汚さではない。
それでもなんとか、二時間半凌いでスリン。



駅の前のこじんまりした広場に大きな3匹の象の像、
象の町スリンの象徴だ。
タイの三大祭りの一つ象祭りには世界中から観光客が集まってくる。
象と人間の戦いの劇や、象のサッカー、象のダンス、象のパレードなど、
が披露されこのお祭りには250頭以上の象が参加するそうだ。
街路路には如何にもタイらしい花が咲いている。



駅前の売店で尋ねたホテルを訊ねる。
トクトクに乗ったら駅から100mも無い。
400bを300bに値切って、3泊。
AC、温水付き、ウボンのホテルより大分落ちる、
部屋は広さは半分、タブなし、水は白濁。
夜店に出る。
生の牡蠣、海老、烏賊、貝類、が氷の上にのっかっている。
車海老が活きが良さそうだ。
「これ」と指差してビールを飲んでいると、持ってきたのはチャーハン。
3、4匹の海老が入っている。美味しいが半分も食べられない。
夜、何時ものようにマッサージ済ませ売店にビールを買いに行くと、
男が,
「マッサージどうだった?」
「グー」
「ladyは?」
と後ろを振り返る。
まだあどけない17、8歳の女の子が階段にべったり坐って恥ずかしそうにしている。
ただ、煙草を咥えている。
草々に逃げ帰る。

スリンにもまだ未整理だが近郊で発掘された文物を陳列したところが有ると聞いて出かけてみた。



いろいろな文物が所狭しと転がっている。





スリンの街角でメロウのHさんが欲しがるお坊さんの着る布を見付けた。



お土産にしよう。
終日ボンヤリして、夜店へ。
鶏の肢と羽でビール、雨が降り出した。
おかみさんが「こっちへ来い」と屋台の軒下へ手招きする。



先客の女性3人と同席、
3人の1人がおかみさんの妹さんであとは同僚だと紹介される。
ビールを3本振舞う。
折からの雨で客足が止りおかみさんも席に加わる、



次々に料理が出て来る。



仲々の美人の妹さんはビールを飲まない、もっぱら、ウイスキーのオンザロックだ。
「腰の線が崩れる」 からだそうだ。
皆、日本の事を聞きたがる。
日本は行ってみたい所の第一だそうだ。
「私の家から富士山が見える」と話すと目を丸くして羨ましがる。
歳の話になった。
「幾つ?」「幾つと思う?」「..」「..」
私が、「○○歳」と言うと一斉に歓声が上がる。
皆、お世辞が上手だ。
年かさの1人はフランス銘柄で身を固めていて、仲々お洒落だ。
キャリアーウーマンらしい。
皆、スリンで一番大きいホテルのカウンターが仕事場だそうだ。
「もしかしたら、明日も来るよ」と言って席を立つ。
「勘定」
「要らない」
と小母さんが左右に手を振る、とても気風がよい。

つづく

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